ねこを保護した話

引き返さなければ後悔していたと思う

一昨年の12月に僕は一匹のねこ(生後3ヶ月)を保護しました。
今回はそのときの話を書いてみたいと思います。
車(ポルシェ)とは特に関係のない話ですが、暇つぶしにでも読んでいただけると光栄です。


その日、僕は取引先を訪問し、車で会社に戻っていました。
もう少しで会社に到着というところで、ある集合住宅の駐車場に明らかにアスファルトや建物のような人工物ではない黒い物体を目にします。
「なんだろう?ゴミかな??」と思いつつ、一度はそのまま通り過ぎて会社へ戻りました。
ですが、なんとなく気になったので会社の駐車場に車を止めて、すぐに歩いてその「黒い物体」を目撃した場所へと戻りました。

妙な胸騒ぎを抑えながら恐る恐る近付いてみると、そこには小さく丸まった「子ねこ」がいました。
目も開けることができず、顔はぐしゃぐしゃに濡れていたのですが、ニャーニャーと元気な声で鳴いていました。
「生きててよかった!」
それがそのときの正直な感想です。
ただ、ねこを飼ったことがない僕はどうしていいのか分からず、ねこを飼っている女性が社内にいたのですぐに電話で助けを求めました。

「いったい何事?」という顔で駆けつけてくれた彼女ですが、うずくまった子ねこを見るとすぐに抱き上げ「この子、風邪引いてます」と。
顔がぐしゃぐしゃに濡れていたのはどうやら鼻水のようで、目には目やにがいっぱいで、そのせいで目が開かなくなっているようでした。

もちろん、このまま見捨てることは出来ないので、まずは病院へ連れて行こうと思い近くの動物病院を検索してみると、犬やネコの保護に力を入れている病院が見つかりました。
電話をして事情を説明すると「すぐ連れてきて下さい」とのことで、会社にあった適当なダンボールに子ねこを入れ、それを車に乗せて仕事そっちのけで病院へと走りました。

車で病院へ向かう道中、子ねこはダンボールの中でニャーニャーと元気な声を上げながら暴れています。
まさか自分がねこを連れて病院へ行くことになるとは夢にも思っておらず、なんだか不思議な気分で病院へ向かったことを覚えています。

病院に到着するとすぐに獣医師さんが診察をしてくれましたが、やはり「風邪」との診断でした。
診察を受けている間も元気にニャーニャー泣いていたのですが、最初に発見した時は丸くなったまま動かなかったのを見ていた僕としては少し「覚悟」をしていたので、凄く安心したのと同時に、母親とはぐれたこの小さな子ねこの命を救えたことが嬉しくもありました。

もし引き返すことなく、「気のせいだろう」と済ませていたなら、ずっと気持ちがモヤモヤしていたのかもしれない...
そう思うと、あの時引き返して子ねこを見つけてあげることが出来てよかったと思っています。

顔に付いていた目やにや鼻水をきれいにしてもらい、キャットフードを元気に食べている姿を見ながら、病院の人たちも笑顔だったので、僕の役目もこれまでで、あとは病院の人にお任せして仕事に戻ろう。

そう思っていた僕ですが、事態は思わぬ方向に進んでいきます。

40代サラリーマン、ねこを飼う

すこしブログのタイトルに寄せてみましたが、紆余曲折を経て子ねこは我が家へとやってくることになります。

病院での診察が終わり待合室で待っているときにこんなやり取りがありました。

「ねこは飼ったことありますか?」
「ありません」
「なにか動物は飼われていますか?」
「うさぎがいます」
「ねこちゃんとうさぎさんは結構仲良くするみたいですよ」
「へーそうなんですね... ん?」
「キャリーケースをお貸ししますので、使って下さい」
「ん??キャリーケース??」

僕の中では保護したねこは、どこかの団体で面倒を見てくれるものだと思っていて、それこそが保護猫活動だとこのときまで思っていました。
ですが、この子ねこの里親が見つかるまでは僕が面倒を見ることになりました。
確かに、保護した動物をボランティアで面倒を見ている団体(や個人)もあるようですが、そのためには多くの労力と資金が必要で、きれいごとでは続けられないのも事実です。
とはいえ、いきなりねこを飼うことになるという思いもよらぬ出来事に対して、すんなり受け入れられない気持ちもありましたが、それを拒否するほど悪人でもなく(いい人ぶっただけかもしれませんが)、「里親が見つかるまで」と自分を納得させて子ねこを連れて帰ることにしました。

先述の通り、我が家ではうさぎを飼っており、いきなりねこを連れて帰るとうさぎがビックリしてしまいそうなので、いったん会社に戻って誰か面倒を見てくれる人がいないか聞いてみることにしました。
ですが、そう簡単に面倒を見てくれるなんて人が現れるわけもなく、一晩だけ会社のオフィスで過ごしてもらうことにし、水とトイレと寝床を用意して、暖房をつけたままこの日は帰宅しました。
翌朝、会社へ行くとおなかをすかして元気にニャーニャー鳴いていて、キャットフードを上げると美味しそうに食べています。

「ねこかわいいやん」

この日も経過を見てもらうために病院へ連れて行くことになるのですが、なんとなく「自分のねこ」という気持ちが芽生えつつあり、仕事帰りに病院へ連れて行ったあと、そのまま自宅へねこを連れて帰りました。
前日にねこを保護した話はしていたので家族にはそれほど驚きはなかったようですが、問題はうさぎがどういった反応をするのかで、そこがすごく気になったのですが、意外にねこもうさぎもお互い無関心で、いつもと変わらない様子でした。
これなら大丈夫かな。

こうして僕はねこを飼うことになったわけですが、あくまで「里親が見つかるまで」というスタンスで、いつかはいなくなるんだろうなという思いがありつつ、我が家に来て幸せだったと思ってくれるように飼い主として出来る限りのことはしてあげようと心に誓いました。

そして、保護して数ヶ月が経過しますが、里親募集にも応募が無く、このままうちの子になるか?と思っていた矢先に、病院から里親への応募があったとの連絡をもらうことになります。
少し複雑な気持ちでしたが、里親に応募してくれた方にお会いすると、本当にねこ好きな方で、この方なら幸せにしてくれると思い、お願いすることを決断しました。

それ以降、何度か写真を送ってもらいましたが、先住ねこさんとも仲良く暮らしてるようで、友達が出来てよかったなと思うようにしています。

こんな偶然の出会いによって「犬派」だった僕は「猫派」へと変わることになるわけですが、どっちが正解だなんてものは無く、ただ、ねこの魅力に気付かせてくれたこの出会いは僕にとってすごく大きな宝物になっています。

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